奥様は五席

〜七夕!セニョリータ〜


※いつも以上にカユい表現が多うございます。
ダメそうとかアタシ蕁麻疹出るかもという方は
ブラウザバックという名の穿界門で現実世界へお帰り下さい。




















笹の葉さらさら




そこらに揺れる











皆さん、お久しぶりですこんにちは。十一番隊期待の大新星!阿散井恋次です

とても良い天気だった今日、つまり星空もスゲーキレイっつー事です。







……つまり今日は七夕なんですよっつー事です。







えーと、まあ、ご存知の通り、七夕っつーのは織り姫と彦星が年にたった一日逢う事の出来る日

白鳥が橋を作って二人の架け橋をして、抱き締め合い、お互いの愛を確かめる…!!そういう日なんですよ。




……………








なんてロマンチーーック!!!













…とまあ、そんな素敵な太古の昔の恋物語にちなんで



むしろソレを俺と愛しの で体現しようと



隊舎前のドでかい伝説の笹の木の下に、迷わず俺はアイツを誘い出したワケですが何か?










「うわー!すごいねえ、やっぱり!皆結構書いてるんだー!!」







ドでかい笹には、ウチの野郎共の煩悩と欲望にまみれた短冊が、鈴なりになっている訳でして

それを見上げて と二人、笹の下の長椅子をバッチリ並んでゲットした訳ですよ。





濃紺に鮮やかな赤の牡丹が咲く浴衣

の白い肌に、紺と花の赤が映えて、いつもより大人っぽく見える…








いやっほう!!七夕サイコー!!!







何ですかもうチクショー!アレですか犯罪ですか、浴衣なんて死神なんだから今更だろとか言いやがったそこのお前!

俺等にとっての浴衣は、いつもスーツの彼女が突然ワンピースでデートに現れた時的なトキメキなんだよ!!覚えとけ!






そして、ほのかに香る湯上がりの髪の香り

微かな月明かりが二人を照らして……








照らしたついでにこのまま近くの草むらにでも連れ込んでウッフンとか

決して考えてないっスよ?ええ。








あン?誰だオイ、ハナからそれが目的だろつったのはよ?ちょっと隊舎の裏までツラ貸すか?コラ。










「あー、ホントだな…」


「へー、あ!荒巻は『酒』だってさー!!あははは!相変わらずだねえ」


「マジかよ…」




俺の隣で揺れる笹の葉にぶら下がる短冊を読んでは無邪気に笑う 、それを見詰める俺。

長椅子の上、二人の距離は何寸もねえ訳ですよ。抱き寄せるのもチューをすんのも簡単な距離なんですよ。







あのさあ…もうなんつーの?カップルつって良いよな? つーか言え。










「…


「…何?恋次」







振り返る の肩にさりげなく手を置いて

俺は懐から、二枚の短冊を取り出した








赤い短冊は俺、薄紅色の短冊は






「せっかくだからよ、俺らも願い事……書かねえか?」


「え…っ………いいの…!!」


「ああ、筆も持ってきたぜ?」


「うわー!すごい!嬉しい!有り難う恋次!!」


「……礼言う所でもねえよ…」





その反応に色々と堪らんモンを感じつつ顔を赤らめつつ

筆と短冊を渡す時にさりげなく手を握るのを忘れずに、俺達は並んで願い事を書き始める

さらさらと筆の走る音を聞きながら、ちらりと隣を盗み見れば、真剣な顔で短冊に向かう







ああ…いいよなあ…堪んねえよなあ……可愛いよなあ…オカ…いや、絵になるよなあ…。








「よし…じゃあ吊るそうか…」



立ち上がる



「……ああ……でも…待てよ……」



その白魚の様な柔らかい手(ルキア談)を握って、俺も立ち上がる



「え…っ…?何…恋次…」




戸惑う 、さりげなく右手を後ろに隠すのを見逃さない俺

その細い腰に腕を回して、抱き寄せる





「…何て……書いたんだ…?」




そうすれば、 はたちまち顔を赤らめる



「え…っ…?……そ、そんなの…秘密だよ……」




目を逸らす の耳元で、俺は低い声で囁く




「…言えねえ様なコト…書いたのか…?」


「ちが…っ…!!」


「じゃあ…何て書いたんだよ…」


「恥ずかしいから……見せられないよ…」


「…恥ずかしい事なんて何もねえだろ…?」


「でも……ダメ……」




必死に背中に隠した短冊を守る 、じゃれ合うようにそれを取ろうとする俺

けれどすぐに は俺の腕に収まって、短冊もその華奢な手のひらごと、俺の手の中へ




「あ…っ…!!恋次…!!」



はらりと舞った短冊には、



『恋次とずっと一緒にいられますように』



という文字




「…もう…!!だからダメって…」


「…っ…!! …!!」





堪らず俺は を抱き締めて、その淡く色付く唇を

思う様、思う様思う様貪った……


















「…じ………恋次!!」




「おわっ!?な、何だ …!?」





ハッと我に返って隣を見れば、頬を膨らませて俺を見上げる がいて




「…もう…何でいつもボーッとしてんの?書いたから吊るそうって言ってるのに…」


「お、おう…悪ぃ…」





そんなお前も可愛いぜとか思いながら、二人で立ち上がって笹の葉の近くへ






…何て書いたん…?」


「ん?何?」





…俺が口を開く前に既に笹の葉には、薄紅色の短冊が

がっちり吊るされてましたが 俺、負けない。





「よしっ!上手く結べた!!」


「へー、何て書いたんだ?」


「え…っ…ちょ…ちょっと…恥ずかしいかも…」





…なんて、 が顔を赤らめるから、

俺の胸が、心臓が むしろ下腹部の一点が

とても高鳴ったんですよチクショー!!







「何だよ…見せてみろよ…」


「え…っ…ちょ…っ…!!コラ!恋次!!」







…あああああもう… …待ってろ…お前の想いは今にも俺に届いちまいそうだぜ…!むしろ歓迎どんと恋だぜ!!!

きゃあきゃあと、じゃれ合いながら、葉先で揺れる短冊を手に取る




そこには…




















「腹八分目」












と、見るも雄々しい文字が踊っていた

















「…… ……?こ、こりゃあ………」


「…もう…だから恥ずかしいって言ったのに…」


「……意味が分かんねえんだけどよ…?」





すると、 は真っ赤になって俯く




「さ、最近ちょっと食べ過ぎだなって思ったから…」


「…そう…なのか…?」


「そうなの!!…だ、だって一角の作るお弁当美味しいんだもん…

でも……ちょっと控えめにしないとな…っ…て…思って…」






俯いて、ぷい、と横を向いた の可愛さに思わず

コレは願い事を書くんであって目標とか標語を書くんじゃねえんだぜ?とツッコむのも忘れてしまいましたが何か?







「も、もう…!!!恋次は何て書いたのよ!!見せてよ!!」


「あ…?…そ、それこそ恥ずかしくて見せられねえよ…!」


「ずるい!見せてよ!!」


「だ、ダメだ!!…」





が俺に飛びついてきたから、

コレはチャンスとばかりに勿体振って手を上に上げる






「もー!意地悪しないで!!そんな高くしたら見えないよ!!」





ぷう、と頬を膨らませながら精一杯手を伸ばしてついでに密着して

俺の手の中の短冊を取ろうとする に、色々なモノが崩れそうになるのを必死に抑えて、

そろそろ頃合いかと手を徐々に、さりげなく下げる





「見えないようにしてんだろ!」


「ずるいよ恋次だけあたしのお願い見てさ!いいから見せて!!」






ぎゅうぎゅうと当たる、 の胸の感触を思い切り楽しみながら、段々とに見える様に手を開く






そう…勿論俺の短冊には



とずっと一緒にいられますように』



そして裏には



『一発入魂!!』





これ以上ねえくらい に対するラブが詰まった逸品だ!

コレを見て赤くなった とさっきのような行為に出て、あとはもうもう、願いの成就に決まってんだろ!!

『一発入魂』ナメんじゃねえ!!何が一発とか聞くな馬鹿野郎!!






「し、仕方ねえなあ………ちょっとだけだぜ…?」


「うん…!」





手を緩めながら、短冊は俺の顔の横を通って、 の目の前へ…




そう…顔の横を………

















しゅば…っ



















「……………………?」








その瞬間、空気を切る音が耳元で鳴って

俺の頬から、どろりと生暖かい何かが滴る。





ソレが血だと自覚したのは、手の中の短冊が消えたのに気付いてからだった







「おわっ!!痛え!!な、な、何だコレ!!?」


「大丈夫!?もー!意地悪するからだよ!」






慌てる俺をよそに、 はあっさり俺から離れて、俺の背後の笹の幹に駆け寄る







さん…俺顔からダッラダラ血ぃ流してんですけど…











「……ったく…何なんだよ…」


「あー!!もう!また届かないーー!!」







ぴょんぴょんと必死に手を伸ばしながら跳ねている の背後に立つと、


丁度、俺の目の高さの笹の幹に深々と矢が刺さっている







「な…何だこりゃあ…!?」







恐る恐る顔を近づけると、どうやら俺の情熱の赤の短冊の上に矢文の要領で何かが刺さっている






それはとても薄くて、とても軽やかな風合い、清楚かつ上品さを漂わせる










藤色の短冊で







矢を引っこ抜くまでもなく、血よりも真っ赤な文字で書かれた『願い事』が読める
























『害虫駆除』



…と






















…前略、いるのかいないのかオフクロ様



湿気を帯びた風、薄着でも外を歩ける日中。


季節はいよいよ夏の足音を立ててきましたが









俺の背後には、

常に冬将軍が控えていらっしゃるようです…


















…コレをDLFにするのがウチです。
BGMはいわずもがな橙恋次。
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