私の周りはいつだって溜息で溢れていた。
朽木家の長女でありながら死神になれないほどの落ちこぼれだからだ。
霊力がないわけではない。
卍解も習得している。
本来なら白哉兄様と同じ隊長格になれるほどの霊力は持っている。
だけど・・・殺せない。虚であろうと虫であろうと。
殺すのだと。
消し去るのだと。
そう思うと足がすくみ体が震えてしまう・・・
そして、私は今落ちている。
そう。落下している。
黄泉の国のアリス
オイラがふと空を見上げるといきなり女が現れて、落ちてきた・・・うん。
「っ・・・!いたっ!」
もちろん落下した私は受身などとれるはずもなく地面に激突した。
見慣れない場所。絶対に尸魂界じゃないとわかっていてもやはり期待してしまう
「芸術的だな・・・うん」
声のしたほうを見上げると、そこには変な頭(ルキアのご学友の阿散井殿の髪型をもっと変にした感じだ。)
「お前どうやってきた・・・・うん?」
「え・・・ぁ・・・」
答えたいけれど強い殺気に当てられて体がすくむ。
筋肉が弛緩する
声が出ない。
体が震える。
「オイラが怖いのか?・・・うん?」
言葉はすべて涙にかわり消えていった
「安心しな。いきなり殺したりはしねーよ・・・うん」
もう駄目だ。変な人の声が遠のいていく。
視界が歪む。
意識が・・・続かない・・・
女はオイラに怯えて泣いていたかと思うといきなり倒れた。
「見れば見るほど芸術的な女だな・・・うん」
黒く長い髪は艶があり美しい。
肌もまるで日にあたったことのないかのように白い。
さっきまで開いていた大きな目はどこまでも碧いな・・・うん。
「しかたないな・・・アジトに連れて行くか・・・うん」
オイラは女を乗せアジトまで飛んでいった。
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